近年、自然災害が増加し、停電のリスクも高まっています。そんな時、頼りになるのがポータブル電源です。スマートフォンやパソコンの充電はもちろん、小型家電の利用も可能になり、いざという時の生活を支えてくれます。
しかし、市販されているポータブル電源は種類が豊富で、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。「容量はどれくらい必要なの?」「どんな機能が便利なの?」といった疑問が浮かぶのは当然です。
この記事では、ポータブル電源の実機レビューを50台以上行ってきた私が、防災グッズとしてのポータブル電源選びで悩んでいるあなたへ、おすすめの製品をランキング形式でご紹介します。
「容量が大きければ良いのか?」「価格と性能のバランスはどうすればいいのか?」といった疑問に答えながら、あなたのライフスタイルや防災への備えに合った一台を見つけるお手伝いをします。
ポータブル電源選びで失敗したくない方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
災害用ポータブル電源の選び方
災害時、停電時など、いざという時に頼りになるのがポータブル電源です。しかし、数多くの製品がある中で、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、ポータブル電源を選ぶ上で外せない、大手ブランド3社を徹底比較し、それぞれの特徴やおすすめのポイントを紹介します。
大手ブランドを買う
Jackery(ジャクリ)
2012年に米国シリコンバレーで誕生したJackeryは、ポータブル電源業界のパイオニア的存在です。「Jacket」と「Battery」を組み合わせたブランド名は、「まるで身に着けるように、バッテリーを簡単に使えるようにしたい」という創業者たちの想いを表しています。
Jackeryの特徴は、その豊富なラインナップと高い信頼性です。初心者から上級者まで、様々なニーズに対応できる製品が揃っており、アウトドアや防災など、幅広いシーンで活躍します。また、日本に法人を構えており、日本語でのサポート体制も充実しているため、安心して購入することができます。
EcoFlow(エコフロー)
2017年に設立されたEcoFlowは、高性能なポータブル電源を製造、開発、販売している企業です。「そのパワーが、新しい世界へ」というスローガンのもと、革新的な技術を取り入れた製品を次々と発表しています。
EcoFlowの特徴は、その高い出力と拡張性です。大容量のバッテリーと複数の出力ポートを搭載しており、複数の機器に同時に電力を供給することができます。また、ソーラーパネルとの組み合わせも可能で、自然エネルギーを活用した発電も実現できます。
BLUETTI(ブルーティ)
2009年に中国の深圳でスタートしたBLUETTIは、近年急速に成長しているポータブル電源ブランドです。日本では神奈川県と東京都に法人を置き、日本語でのサポート体制も充実しています。
BLUETTIの特徴は、そのコストパフォーマンスの高さです。高性能な製品でありながら、比較的お手頃な価格で購入できるため、初めてポータブル電源を購入する方にもおすすめです。また、防水機能を搭載したモデルもあり、アウトドアでの使用にも適しています。
なぜ大手ブランドから選ぶのか?
1. ポータブル電源をメイン商材にしている
大手ブランドの多くは、ポータブル電源を主力商品として扱っています。つまり、ポータブル電源の開発に注力しており、性能の向上やコスト削減に力を入れているのです。
例えば、ある大手ブランドは、ポータブル電源の開発に長年携わっており、独自の技術とノウハウを持っています。そのため、高性能でありながら、競合他社よりも低価格で製品を提供することが可能となっています。
2. 安全かつ安定性が高い
大手ブランドは、製品の品質管理に厳しく、安心して使える製品を提供しています。長年の実績と信頼があり、万が一不具合が発生した場合でも、迅速に対応してくれる体制が整っていることが多いです。
また、大手ブランドは、製品の安全性にも非常に高い基準を設けています。厳しい品質検査を行い、安全基準をクリアした製品のみを販売しています。災害時など、いざという時に安心して使える製品を選ぶためには、信頼できるブランドを選ぶことが重要です。
3. 自社生産ラインを持っている
Amazonでポータブル電源を探しているときに、デザインがそっくりな商品を見かけることはありませんか?実は、これらは「OEM商品」と呼ばれるもので、ある一つの型を参考に大量に生産された商品なんです。
OEM商品は、様々なブランドで販売されるため、価格が比較的安価なものが多く見られます。しかし、安いからといって安易に選んでしまうのは危険です。なぜなら、OEM商品は、「安全・安定」といった品質面や、「長期保証」といったアフターサービス面で、大手ブランド製品と比べて不安な点が多いからです。
例えば、ポータブル電源は電気製品なので、安全性は最も重要なポイントです。大手ブランドは、自社で製品開発を行い、厳しい品質管理のもとで製造しています。そのため、万が一の際の安全性や信頼性が高いと言えるでしょう。一方、OEM商品は、様々なメーカーで製造されているため、品質にばらつきがある可能性があります。
また、長期保証に関しても、大手ブランドは自社で保証体制を構築しているため、万が一故障した場合でも安心して修理や交換を依頼できます。しかし、OEM商品は、保証内容が不明確だったり、保証期間が短かったりする場合があります。
災害時に頼りになるポータブル電源だからこそ、安全性や信頼性を重視し、大手ブランドの製品を選ぶことをおすすめします。
4. バッテリーの安全管理がしっかりしている
大手ブランドのポータブル電源には、「BMS(バッテリーマネージメントシステム)」と呼ばれる、バッテリーを安全に管理する高度なシステムが搭載されています。
このBMSの中でも、特に**「EPS」と「UPS」**という機能が、ポータブル電源の安定性を高める上で重要な役割を果たしています。
EPS(Emergency Power Supply)とは、家庭用のブレーカーが落ちた際に、ポータブル電源に接続された電気製品への電力供給を、わずか0.03秒という驚異的な速さで切り替えることができる機能です。
例えば、停電中にパソコンを使っていたとします。この時、EPS機能を搭載したポータブル電源を使っていれば、パソコンの電源が一瞬も途絶えることなく、そのまま使い続けることができるのです。
UPS(Uninterruptible Power Supply)は、EPSよりもさらに高速な切り替えが可能な機能です。なんと、わずか0.01秒で切り替えが完了します。
このため、UPS機能を搭載したポータブル電源は、医療機器など、瞬断が許されない機器にも使用することができます。
大手3社ブランドに続く中堅メーカーも候補に
現在、ポータブル電源市場は非常に活況で、大手メーカーだけでなく、新しいブランドも続々と登場しています。
今回は、そんな数多くのポータブル電源の中から、特に注目すべき3つのブランドに焦点を当ててご紹介します。
従来から人気の高い大手3ブランドはもちろん、近年急速に成長しているPowerArQ(パワーアーク)、Anker(アンカー)、ALLPOWERS(オールパワーズ)といった新興ブランドも、高品質で信頼性の高い製品を数多く展開しています。
これらのブランドは、大手メーカーに引けを取らない性能と安全性、そして豊富なラインナップが特徴です。
例えば、PowerArQは、コンパクトで持ち運びやすいモデルから、大容量で長時間使用できるモデルまで、幅広いニーズに対応した製品を揃えています。Ankerは、モバイルバッテリーで培った技術を活かした高性能なポータブル電源が人気です。ALLPOWERSは、コストパフォーマンスの高さで注目を集めています。
日本製が一番良いわけではない
「災害用のポータブル電源は日本製がいいの?」そんな風に思っていませんか?
実は、ポータブル電源の世界は、日本製だけでなく、海外製、特に中国製のものが非常に人気を集めています。
なぜ海外製が人気なのか、そして日本製との違いはどこにあるのか、詳しく解説していきます。
よく「日本製じゃないとダメなの?」という質問を受けますが、決してそんなことはありません。日本製のポータブル電源も、もちろん高品質な製品がたくさんあります。しかし、海外製、特に中国製のポータブル電源が人気を集めるのには、いくつかの理由があります。
まず、電池の製造です。実は、多くのポータブル電源に使われている電池は、日本製であっても中国製のものが使われているケースが多いのです。これは、世界的に見ても中国が電池製造のシェアを大きく占めているためです。
次に、性能と価格です。海外の大手ブランドは、長年の研究開発により、非常に高性能なポータブル電源を開発しています。その性能は、多くの日本製のポータブル電源を大きく上回っていることが多く、しかも価格はかなり安い場合もあります。
さらに、サポート体制も充実しています。海外の大手ブランドは、日本法人を設立している場合が多く、日本語でのサポート体制が整っていることも魅力の一つです。保証期間が長く、リサイクル対応など、ユーザーへの配慮も行き届いています。
このように、性能、価格、サポート体制など、総合的に比較すると、海外製、特に中国製のポータブル電源が優れているケースが多いのが現状です
用途で選ぶ
地震や台風による大規模な停電が発生した場合、冷蔵庫の運転や温かい食事の準備など、日常生活を送るために多くの電力が必要になります。例えば、冷蔵庫を1日動かすには約1000Whの電力が求められます。また、非常食を温めるためのお湯を沸かすにも、かなりの電力が必要です。
防災専門家からは、災害発生時に72時間分の食料と水を備蓄しておくことが推奨されています。しかし、モバイルバッテリーだけでは到底足りず、大容量の電力を供給できるポータブル電源が必要不可欠なのです。
ポータブル電源を選ぶ上で最も重要なのが、その容量です。容量が大きければ、それだけ多くの電気を蓄えることができます。
- 1人暮らしの場合: 1000Wh以下のポータブル電源
- 2人暮らしの場合: 1000~2000Whのポータブル電源
- 3人以上の世帯: 2000Wh以上のポータブル電源
上記はあくまで目安ですが、使用人数や使用する家電によって必要な容量は変わってきます。例えば、冷蔵庫や電子レンジなど、消費電力の大きい家電を使用する場合は、より大容量のポータブル電源を選ぶ必要があります。
容量を拡張できるポータブル電源のメリット
最近では、電池の容量を後から拡張できるタイプのポータブル電源も登場しています。例えば、BLUETTI社のAC200Maxは、外部バッテリーを追加することで容量を大幅に増やすことができます。
最初は少なめの容量で購入し、後から必要に応じて容量を増やすことができます。本体よりも安価な外部バッテリーを購入することで、コストを抑えることができます。
バッテリー寿命で選ぶ
ポータブル電源の心臓部とも言えるバッテリー。せっかく購入してもすぐに使えなくなってしまうのでは意味がありませんよね。
ポータブル電源のバッテリーには、大きく分けて「三元系リチウムイオン電池」と「リン酸鉄リチウムイオン電池」の2種類があります。
三元系リチウムイオン電池は、多くの家電製品に使われている一般的なリチウムイオン電池の一種です。エネルギー密度が高く、同じ容量のバッテリーでも小型化できるというメリットがあります。しかし、繰り返し充電と放電を行ううちに劣化しやすく、一般的に約800回の充放電サイクルで電池容量が80%まで減少してしまいます。
一方、リン酸鉄リチウムイオン電池は、安全性が高く、寿命が長いことが特徴です。繰り返し使っても劣化しにくいため、約3,500回の充放電サイクルが可能です。これは、三元系リチウムイオン電池の約4倍の長寿命です。つまり、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源は、長期間安心して使い続けられるということです。
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